私柴田と橘師範は8月29日から9月4日の日程でデンマークコペンハーゲンに遠征してきました。
今回の遠征の主な目的は「デンマーク支部長・ブーツ師範の空手修業45周年記念式典」に出席することです。
当初連絡を受けたときはドレスコードも記載してあって「式典メインなんだ」と思っていましたが、よくよくスケジュールを見ると到着したその日から最終日まで都合7回の稽古が入っていました。

あれれ?!
これじゃ普通の合宿だぞ、心してかからないと…と気持ちを切り替えました。

8月29日(水) 11:30 事務局に集合
静岡駅から新幹線〜成田エクスプレス経由で成田へ
午後5時25分のタイ航空で出国です

8月30日(木) 早朝7:40 コペンハーゲン空港に到着
カート先生ご夫妻が迎えに来てくれていました。
少し時間に余裕があったので車でデンマーク市内を観光に連れて行ってくれました。あいにくの雨だったので車の中からしか見ることは出来ませんでしたがいろいろな施設を見学させていただきました。

  • チボリ公園
  • コペンハーゲン市庁舎
  • 旧証券取引所
  • 人魚姫の像
  • デンマーク最古のデパート「Magasin」

カート先生には約15年前、初めてデンマーク・オーフス空港に到着した時迎えに来てもらいました。
その時、私は海外遠征初で大石範士と橘師範についていくだけで精一杯。
オーフスと言うデンマークの田舎の空港に到着してカート先生がお迎え時間に1時間遅れたため大石範士と橘師範は若干焦られていたようですが初遠征の私は状況を把握できていないので結構堂々としていました。 今回、カート先生の顔を見て、静かな田舎の空港に3人ポツンと取り残されたことを思い出しました(笑)

さて、そんなことを考えながらの市内観光を終え、カート先生のご自宅で昼食をいただくことになりました。
カート先生のご自宅には3年前にも来させていただき、その時は大石範士、北海道の高橋師範、福島の門間師範、橘師範、と私柴田やデンマーク支部の師範・先生たちも含め十数人で楽しい時間を過ごしたことを思い出しました。

食後 一旦今夜の宿泊場所のホテルへ送っていただき 再度、気持ちを切り替え、準備をしてデンマーク本部道場での夕方の少年部の指導に向かいました。
この時の送迎は2016年の世界大会で4位に入賞した若い黒帯の子が運転手として送迎してくれました。

宿泊先のホテルはこれも3年前に一度来たことがあるホテルです それほど大きなホテルではありませんが朝食がおいしかったことを記憶しています。

さて、コペンハーゲンの道場は相変わらずの盛況ぶりで今日の指導は極真史上初女性の6段のクリスタ師範の指導される少年部稽古の補佐的な形での指導でした。

このクラスの子の声や動きの機敏さなどはかなり鍛えられている感がありました。
また、稽古メニューは空手の技術的なトレーニング以外にも運動能力をアップさせるようないろいろなメニューが組み込まれていて飽きのこない形での稽古内容となっていました 我々はこのクラスの後半で組手に関係する動作の指導しました。

基本的な受け返しを中心に、

  • 下段回し蹴りの受け返し
  • 中段回し蹴りの受け返し
  • 上段回し蹴りの受け返し

「受けてから素早く反撃する気持ちを持つことが大事です」と、言葉足らずですが気持ちの持ちようも大切だと話してきました。

指導後は夕食です。
今夜の夕食はデンマーク支部道場内の一角に机とテーブルを出してケータリングと言う形での夕食になりました。夕食はヨーロッパでは比較的人気のあるタイフード タイ米ですがお米も食べられて、とても美味しい夕食となりました。また、普段話すことのない若い黒帯や茶帯の子たちと一緒に食事ができて彼らも非常に刺激になったと思います。
デンマーク支部では極真空手を人格形成の最たる物と考えていて、日本人の極真に対する気持ちや考え方などの質問を受けました。
非常に有意義な時間でした。

夕食後、部屋に入って帰ってシャワーをして…
時差もあるので、いつ寝たのかもわからない状態で寝ました。

8月31日(金)
睡眠不足なのか? 何時なのか? さえも分からない状態でとりあえず起きて、朝食をいただきました。
朝食がおいしかったことは事実です。

そしてチェックアウトです。
お迎えはブーツ師範ご本人でした 。
式典の準備で忙しいはずですが、直接来ていただいてありがとうございました。

さて、ここから約2時間半の車での移動になります。コペンハーゲンから西の方向に約240km移動したコリングという街です。

途中渋滞に巻き込まれ、なかなか思たように車は進まず、これを見越してブーツ師範の奥様が準備してくれていたサンドイッチと飲み物を途中のサービスエリアで昼食としていただき、再びブーツ師範の運転でコリングを目指しました。それにしてもヨーロッパで食べるパンは美味しいです。お手製ですが完全に販売出来るレベルです。

さて、大変な道のりを移動し到着したホテルはお城のような素晴らしいホテルでした。
もともとホテルとして建てられたのではなく昔は「サナトリウム」として使われていた施設を改装し今はホテルとして利用しているようです。癒しを求めるには最高のロケーションでした。

 

この日の夜は夕飯を終えた夜8時過ぎから稽古の予定が入っていましたが、我々は移動が長かったので体調を整えるために稽古には参加しなくても良いと言う形になり部屋で身体を休めさせていただきました。

9月1日(土)
朝7時からストレッチを中心としたトレーニングです。これには、自分も橘師範も当然参加です。

メイン指導は女性6段クリスタ師範。
クリスタ師範の指導に沿って、湖畔の砂利道を15分ほど歩いて、広い空間に出て、軽いストレッチとジャンプでまだ眠っている身体を起こし、充分起きたところで年齢に分けてランニングです。

橘師範は若いチームに入れられて運動靴じゃない革靴でランニングさせられてしまいました。
私はまさかのサンダル履きだったのでランニングは免れました。
(膝を悪くしているのでどっちみち走ることができませんでしたが…)

この朝稽古は約1時間で終わり、8時半から朝食。
朝食を終えて再び10時から稽古です。

長時間の移動(飛行機と車)と一昨日の夕方と今朝7時とこの午前中で、もう既に3回目の稽古なので体がギシギシ言い始めています。

海外遠征でいつも感じる事は最近では日本で見られない1日4~5回の稽古を行うことです。
これは、効率が良いとか悪いとかの問題でなくそういった古い日本の習慣をそのまま伝統的に引き継いでいると前向きに考えるとするなら我々日本人も今一度見習うべき必要があるなと感じます。
今の日本でそういった合宿稽古に積極的に参加する精神力のある人は減っていると思いますが…

さて、予定は目白押し 午前10時からの稽古を11時30分に終え、ホテルに戻りシャワーを浴び、気持ちを切り替えて昼食です。昼食の後は13時から会議です

会議のテーマは、「今後、デンマークで極真カラテをどのように広げていくか?」
といった内容で、奇しくもこの会議方法は2016年の世界大会後に行った世界会議の方法と同じで、「地区ごとに分かれて問題点を話し合い、それについての対処法を考え、後で全体会として違う地区の意見を聞く」という形式でした。

「式典」がメインとは言う物の充分に体を動かす稽古を行い、そして頭も使い…と内容のあるイベントになっています。

会議の後、再び午後の稽古です。この稽古は早朝や午前中の稽古よりも人数が少なかったです。デンマーク支部の黒帯は式典の準備に追われていたようです。

今回の指導は先方からの要望で組手の技術を中心に指導しました。基本的な動きを中心に出来るだけ丁寧に指導したつもりです。上手く伝わったでしょうか??

この午後の稽古を終え、再びホテルに戻って部屋で休んでいると
「今夜の式典の余興準備の様子を見に来てください」と言われ準備室に見に行きました。

するとどういうことでしょう… 私たちにも衣装が用意されていて「式典で余興をやってほしい」と…
結果、急遽私たち2人はSaturday Night Feverの音楽に合わせて踊ることになりました。
おまけに映画のジョン・トラボルタさながらに女性と一緒に踊って女性を担ぎ上げ回転すると言う大技を披露しなければなりません。(デンマークの女性は小柄な方もいらっしゃいますが私たちの相手になっていただいた方はそこそこに…これ以上は書けません)
橘師範とは「2人とも腰を痛めないように頑張ろう!」固く約束しました。

一旦、部屋に戻ってスーツに着替えて式典出発です…
しかし、もう身体ガクガクで部屋が散らかっています。
片付ける気力もありません テレビに道着が干してあります(誰かな?)

そんなこんなで夜7時から今回のイベントのメインである 「ブーツ師範空手修業45周年記念式典」が開催されました。

スーツで決める橘師範

デンマーク支部の歴史やブーツ師範の歴史がスライドとして紹介されました。 最初のデンマーク支部は、古い建物を借りて道場生の数名が積極的にかかわり作りあげていく映像が出てきて「デンマークでも日本と同じだったんだな」と改めて極真カラテへの情熱は国を問わず根付いているんだなと実感しました。

余興の出し物はミュージカル風の舞台と我々のダンスとクリスタ師範の1人芸と外にも伝統芸を披露するチームもあって笑いの渦に巻き込まれました。

いつ終わるのか分からなかったので、我々は夜中の1時にそっと会場を後にしました。後で聞くと「宴」は夜中の3時まで続いたそうです。

9月2日(日)
本来の予定であれば朝7時からトレーニングの予定が入っていましたが、さすがにデンマーク支部の皆さんも3時まで飲んで騒いで後片付けして7時からの稽古では大変だったようです。 朝の稽古はなくなりました。

8時から朝食を取って9時半から朝稽古(だったそうです)。我々にはうまく伝わっていなくて部屋でのんびりしていたらみんな稽古に参加していたようです。申し訳ありません。

12時に軽くランチを食べ、午後1時からはデンマーク支部の創設期に稽古されていて現在は大学教授の古い先輩の講義を聞かせていただきました。
講義内容は「極真カラテの良さと個々人の年齢に応じた今後の取り組み方などに関する心の持ちよう」について通訳さんを通しての講義でしたので、なかなか深くは理解出来ませんでした。

さて、この講義の終了を持って、今回の式典に関する予定はすべて終了。
一路コペンハーゲンに向けて帰ります。

帰りは通訳「マーチンさん」の車。
日本語が話せるので3人で楽しい時間が過ごせました。
彼・マーチンは筑波大に留学していて茨木に住んでいたので東京や埼玉、千葉のあたりのことも非常によく知っていました。
ヨーロッパへ行くことがあったら彼に通訳を頼むと面白いと思います。

さて、最終日。
今夜はコペンハーゲン空港近くのホテルで一泊します。
ヨーロッパの色使いは派手だけどセンスの良さ&カッコ良さを感じますね。

明日9月3日(月)の午後4時ごろの飛行機で日本に向かいます。
しかし、どうやら日本には台風が来ている模様。果たして成田にたどり着けるか???

◆ヨーロッパ遠征(追加情報)
コペンハーゲンから無事飛行機は飛びました。
問題は乗り継ぎ空港のバンコクから成田へ飛行機が飛んでいるかどうか??
なんせ、バンコクからの飛行機が成田へ到着する日は台風上陸とグッドタイミング。

で、バンコク到着 乗り継ぎ情報を確認すると… おぉ!!無事出発するではありませんか!! いやいや、しかし… 出発しても台風で成田に降りられなければ… 羽田か? セントレアか? それとも関空か?

まぁ、とりあえず日本に帰れることは間違いない 良かった、良かった!!!

で、どこに着陸するかなぁ? と思っていたら、楽勝、楽勝、成田でした。
しかぁし、成田に到着して分かったこと 成田エクスプレスは運行しているが 新幹線が動いていない。
東京駅と品川駅は大パニック。
人でごったがえしていて みんなが携帯で ホテル検索からの予約、予約、予約…
さっき空いてたホテルが 「もうちょっと安いホテルを…」なんて思って 違うページを見て戻ってきたら埋まってた…の繰り返し。
逆に値段高くても早く予約しなきゃ!って感じになってて… で、結果、品川からちょっと離れたけど台場に予約出来て追加で一泊して最終的には9月5日(水)の昼間に静岡に帰ってきました。

皆さんありがとうございました。

押忍