土屋 雅裕
初段(静岡本通道場)2013年3月3日取得

昨年の9月頃、長澤師範から「公認審査会の前に、最高師範に型を見て貰った方がいいね。一度、出稽古に行かせて貰いなさい。」と言われました。自分の型を見るに見かねての事でした。総本部道場を訪ね、最高師範に出稽古のお許しを頂きました。

月1・2回のペースで稽古にお邪魔しました。初めての稽古は緊張しました。技術的な指導を受けると思っていましたが、違っていました。準備運動から基本・移動稽古と普段と内容は変わりませんでした。違うのは最高師範を見ながら稽古が出来る事でした。

11月の冬季審査会では、受審者と一緒に参加しました。その日までに2回出稽古に行っただけなので、急に上手くなっているはずも無く不安でした。しかし、型が終わって休憩の時、長澤師範と黒帯の先輩方の反応は温かいものでした。3月まで出稽古を続ければ、公認審査会を乗り越えられると確信しました。

審査会を終えて、自分は出稽古で何を学んだのかを考えました。型を教わったと言うよりも、空手に対する姿勢を学んだと思います。極真空手を愛し、稽古が好きな最高師範を見ながら稽古する事で、自分を見直せたと考えています。

自分は43歳で入門しました。若い頃から極真空手に興味は有りましたが、怖くて入門など出来ませんでした。小1で気弱な長男を先に入門させました。怖がって続かないと思っていたのに、喜んで通っていました。長男が通い出して一年近くたった頃、仕事にゆとりが出来た事も有り、入門を考えました。しかし、女房からは「やるのは勝手だけど、子供より先に辞められないからね」とプレッシャーを掛けられました。「40過ぎから始められますか」と聞きに言った処、「45から始めて、今50になります」と言う、淺田先輩に会いました。逃げ道を総てふさがれる形で入門しました。

昨年父を亡くしましたが、自分が40を過ぎるまで父の事はあまり尊敬していませんでした。しかし、自分が良かれと思ってやっている事は父がやっていた事に気づきました。自分は意識していなかったが、父の背中を見ていました。二人の息子も、自分の背中をいつも見ている。だからこそ、中途半端な事は出来ない。どんな事にも、精一杯立ち向かおうと思っています。

今回の昇段審査を二人の息子に見せる事が出来ました。感じるものがあったと信じています。

もうじき50歳になります。60歳を過ぎても空手の稽古を続けていられる様に、これからも心身を錬摩していきます。

押忍