後藤 七未江
初段(忍野道場)2013年3月3日取得
この度は公認審査を受審させていただきありがとうございました。
私が極真会館大石道場に入門したのは2002年7月。
当時、私は高校を卒業し社会人2年目を過ごしていました。人付き合いが苦手な私は仕事や人間関係など・・・色々な物事が上手くいかず、そんな自分のことが大嫌いでした。“自分を変えたい””駄目な自分と向き合いたい”このような思いが空手を始めるきっかけとなりました。
そんな私に転機が訪れたのは約5年前のことです。
私の地元の忍野道場の先輩が仕事が多忙の為、指導することが困難になったのです。「後藤さん、僕の代わりに指導してくれない?」「私には無理です」当時、緑帯だった私には荷が重く即答しました。それから2・3ヶ月、忍野での稽古がなくなりました。その間、私は自問自答を繰り返していました。何もせずに「無理です」の一言で片付けてしまったことを少し後悔していたのです。そして、私は決心しました。
でも、指導するということはそんなに簡単なことではありませんでした。私の頑張ろうという気持ちだけが空回りして、少年部達との歯車が噛み合わない。弱音しか出てこない自分。忍野の稽古の日が来るのが怖くて、本当は逃げてしまいたかった。
そんな苦悩する日々の中、辿り着いたのは「だったら、私が変わろう!」という答えでした。
私には先輩達みたいな技術がある訳でも知識がある訳でもない。でもきっと、少年部達と同じ目線でならいられる。「頑張れ!」ではなくて「一緒に頑張ろう!!」と言えるような存在でありたい。
それから、私の空手への取り組み方が変わりました。まず、茶帯を目指すこと。今まで年に1回出場するかどうかだった試合にも出来るだけ出場するようになりました。
それから不思議と気持ちは楽になっていきました。
時が経ち、茶帯になり4年。先輩達からの後押しや頑張っている後輩達の姿に勇気をもらい、ようやく躊躇っていた一歩を踏み出す決心がつきました。2012年夏、4年ぶりの審査会を受け1級に昇級し、大石師範から翌年の公認審査への許可をいただきました。
年が明け、本格的に練習を開始しました。出射先輩や後輩達が休日にもかかわらず練習に付き合ってくれ、きつかったけど一緒に練習をしてくれる仲間がいてくれることがとても嬉しく有難く感じました。
2013年3月3日(日)公認審査、当日。基本稽古、型、補強と進み、最後の10人組手。途中、苦しくて突きや蹴りが思うように出せず後ずさりしている自分がいました。でも周りからの声援に助けられ、なんとか完遂することが出来ました。
空手を始め、黒帯として新たなスタートラインに立った今でも私の本質的な弱さは変わっていないのかもしれません。でも、自分の弱さを受け入れることで前に進めることを学びました。壁にぶつかり悩んで悩んで・・・それでも前進して、また壁にぶつかる。そんな繰り返しが、今の自分に繋がり、そして今後の自分にも繋がって行くのだと思います。またこれからは今回の経験や今まで学んできたことを後輩達に伝えていけるように精進していきたいと思います。
最後にこのような機会を与えて下さった最高師範である大石師範並びに諸先輩方。また応援してくれた後輩達や父兄の方々、そして家族に心より感謝の気持ちを申し上げます。
有難うございました。
押忍